「一円たりとも創作者に還元しない」のは誰?音楽教室著作権使用料徴収 第1回口頭弁論


日本音楽著作権協会(JASRAC)が音楽教室から著作権使用料を徴収する方針を固めた問題で、音楽教室大手のヤマハ音楽振興会や河合楽器製作所など音楽教室を経営する団体・法人を中心とした原告団が20日、JASRAC側への支払い義務がないことの確認を求める訴訟を東京地裁に提訴して、第1回口頭弁論が行われました。

 日本音楽著作権協会(JASRAC)が音楽教室から著作権使用料を徴収する方針を示している問題で、ヤマハ音楽振興会など約250の企業・団体がJASRACに徴収権限がないことの確認を求めた訴訟の第1回口頭弁論が6日、東京地裁(佐藤達文裁判長)であった。JASRAC側は請求棄却を求め、争う姿勢を示した。

以前から注目が集まっているこの裁判、多くのニュースWebサイトでも取り上げていますね。











一通り目を通してみましたが、双方の主張が判りやすかったのが

音楽教育を守る会の三木会長は「音楽教育は、演奏や鑑賞する能力を育てる。幅広いレパートリーを持つことで音楽活動の幅を広げる」と述べ、音楽教育事業者がはたしてきた役割を説明した。JASRACによる著作権使用料の徴収について、「音楽教育に大きなダメージを与える。教育が衰退すれば、教師や演奏家が育たず、音楽文化の発展に影響を与える」と述べた。

一方、JASRACの浅石理事長は「音楽は自然に生まれるものでなく、創作者が魂をすり減らして生み出したものだ。姿かたちがないため無断に利用されて侵害されている」「正当な対価は創作者の生活を支える糧になり、次の創作を支えている。創造のサイクルによって初めて新たな文化が生まれる」と強調した。さらに、「音楽教室が収入の一部を創作者に還元することが公平だ」と主張した。

でした。

原告 音楽教育を守る会の主張は
「著作権使用料の徴収は音楽教室に大きなダメージを与え、音楽を学ぶ機会の減少につながる」

一方被告のJASRACは
「著作権は侵害されやすく、様々なところで音楽が無断利用されている」と強調。原告全体の受講料収入が年間約700億円に上ることを挙げ、「一円たりとも創作者に還元しないのは極めておかしい」
「音楽教室側の主張は著作権法の解釈を誤り、営利を目的としている教室の実態ともかけ離れている」
との反論。
司法の前例としては

 著作権使用料をめぐっては、過去に社交ダンス教室の訴訟でも演奏権が及ぶことが認められ、JASRACが勝訴した。カラオケ教室やフィットネスクラブなどもすでに使用料の徴収対象になっている。

らしいです。

JASRAC側の
原告全体の受講料収入が年間約700億円に上ることを挙げ、「一円たりとも創作者に還元しないのは極めておかしい」
は、納得しちゃいそうな主張で上手いですね。

ただ、並行して行われている「JASRACからの分配、1円もない」 爆風スランプ・ファンキー末吉さん、文化庁に調査求めるをみると、「一円たりとも創作者に還元しない」のは誰なの?という疑問も。

JASRAの「一円たりとも創作者に還元しないのは極めておかしい」といった主張はネット上でも一定の理解が集まりそう。
却って原告の主張が、今一つキャッチ―じゃなかったのは今後の裁判においてどう影響するか気になります。


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