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「JASRACは突然やってくる」とはいうものの


JASRACは突然やってくる 強権的手口に音楽教室側が怒りの集団提訴 (中島みなみ)

音楽教室著作権料徴収に関する音楽教室と日本音楽著作権協会(JASRAC)の対立に対しての記事なのですが、この記事ってどうなんだろう、って少し疑問。
一見、音楽教室側に寄り添った記事なので、音楽教室側の方には心情的に納得できる話かもしれませんが、一般の方に同意してもらえる内容ではないような。

「最初は楽譜を買っていないという指摘だった。10年以上昔は、発表会でも楽譜をコピーして使うことも。これは決してほめられたことではないが、こういう状況に前触れなく突然、JASRACが音楽教室に査察のように入ってきて、著作権使用料を支払っていないと、賠償金をとっていった」
今も語り継がれているという手口はこうだ。

「発表会が近づいてきているのに、楽譜が売れないのはおかしい。教室のコピー機のコピー枚数を開示しろというわけです。それで発表会前にコピー枚数が異常に増えていることを根拠に、大手の音楽教室は複数年分で1000万円単位の解決金を支払うことになった。その時、閉鎖に追い込まれた教室もあり、講師もそれで仕事を失った」

「閉鎖に追い込まれた教室もあり、講師もそれで仕事を失った」ということで、感情的には解らなくもないですが、「複数年分で1000万円単位の解決金を支払う」ということは、楽譜のコピーがそれだけの金額分、慢性的に不正使用していたということで一般的な感覚だと「それって仕方ないでしょう」と思ってしまいます。

ただ、これの著作権徴収の根拠は、

授業での著作物利用については、著作権法第三十五条で学校その他の教育機関(営利を目的として設置されているものを除く。)では、教育を担任する者及び授業を受ける者は、その授業の過程で著作物を利用する場合には、必要と認められる限度内で、公表された著作物を複製することができるとされています。ただし、利用する著作物の種類や用途、複製の部数そしてその使い方が著作権者の利益を不当に害する場合は、この法律は適用されないとされています。

音楽教室が「教育機関(営利を目的として設置されているものを除く。)」に該当すると判断されたためなのでしょう。
でもそれって、私立学校でも解釈によっては著作権徴収が発生する可能性があるかも、とか思ってみたり。

JASRACの強権ぶりは、今年6月13日、美容院325店舗にBGMの使用料を求めて一斉調停を起こしたことにも現れている。

「今回のことにしたって、いずれまた請求対象を広げてくる。何かにつけ理由をつけて使用料を請求する彼らに、もう譲歩する気はないというのが正直なところです」(前述の音楽教室講師)

ここで、この部分を出してくるのも、疑問。
店内とはいえ、公共の場で不特定多数に音楽を提供しているのだから、使用料を請求されて仕方がないところだと思います。

対、警察との話でいえば、
「時速40Km制限の道路で、時速41Kmで走っていたら捕まった」
みたいな話だと思います。
警察側で本当に時速41Kmで走っていたかの証明ができれば、ありえなくもない話だと思います。
それって、ひどいとは思いますが「運が悪かったね」と思う人が多いんじゃないのかな。

結局、法律のあいまいさがあるところで法解釈をどうして取り締まるかは、道交法だったら警察、著作権法だったらJASRACの解釈次第。
まあ「やくざ的」とは思いますが。

インターネットが一般化して、著作権の法的運用が難しくなってきてるとは思いますが、それに対応した法整備、この機会にしてもらえたらと思います。

ただ、
『「公衆」に聞かせることを目的とした演奏権は著作者にあると定める。JASRACは音楽教室には不特定多数の受講生がいて「教室は公衆」』
は、けっこう無理やりの法解釈じゃないかと思います。

利権を持った団体が、好きなように法解釈できるというのはあまりよくない。

裁判を通して、ちゃんとした著作権に関する法整備が進むといいのない、と思ってます。

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