2020年の教育改革では、今までの
「学んだことをきちんと理解してるか(知識・技能)」の評価が大きなウエイト
から
知識や技能を習得するだけではなく、それをもとに「自分で考え、表現し、判断し、実際の社会で役立てる」こと
といった教育に、舵が取られそうです。
「自分で考え」「判断する」といった部分で科学教育の分野が見直されてきているというのが、このごろの習い事の流れにも見え隠れしています。
一番わかりやすいのがプログラミング教室の流行ですが、夏休みの体験教室を見てみると科学実験教室もなかなかの盛り上がりです。
そんな中、ドイツのBASF社が平成9年から世界各国で実施している「子ども実験教室」の拡張版として、BASFジャパン㈱がリリースした、オンラインで化学実験を体験できるシミュレーションサイト「バーチャル実験教室」を、ためしてみました。
サイトを開いてみるとロビーのようなグラフィックの中に、ゲームをすると「実験室へ」のボタンが浮かんでいます。
「実験室へ」のボタンを押すと場面が変わり「マルコル」というキャラクターが実験についての注意点を指南をしてくれます。
その先に進むと、
「汚れた水をきれいにしよう」
「赤い色移りのなぞを解き明かそう」
「甘くなるパンの秘密を探ろう」
といった3つの実験室への入り口。
各実験室に入ると、実験器具などをマウスで動かして実験を進めてゆく、といった感じです。
アドベンチャーゲーム的な作りですね。
音声と動きのある「バーチャル実験教室」なので、教科書などの文字だけの実験解説と違った面白味があり、ゲームのやり方に慣れている子どもだったら「バーチャル実験教室」内の実験の進め方も、すんなりいけそうな感じです。
実験のやり方や、問題に対して「自分で考え」「判断する」といった部分では、面白い導入方法かも。
ただ、科学実験って研究室の現場で行うものであって、オンラインでのシミュレーションでどこまで科学実験の醍醐味が伝わるのか。
これで科学実験をやった、と思われたらそれは違うでしょ。
などと考えてしまう自分は、古いタイプの人間なのかも。
とはいえ、
実際に実験をするのは学校でもいろいろ想定したらリスクがあり、家庭で親がちょっと体験させてみるにはハードルが高いものです。
画面上の「バーチャル実験教室」でしたら、想定外のトラブルといったリスクもないことですし、やってみることで子どもに科学実験に興味を持つきっかけができたら、それはそれで一つの成果だと思います。
本当の科学実験を習おうと思ったら、今では学研の科学実験教室をはじめ、理科実験教室のパイオニア・サイエンス倶楽部や栄光サイエンスラボ 科学実験教室など、実際に科学実験をやることができる教室もあります。
このオンライン科学実験で実験に興味をもって、実験を通して科学分野に進むきっかけの可能性は、といったところで一度試してみても良いかもしれませんね。